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原則が認められる要件

2011.09.30

スライド条項がない場合に物価労銀の変動に基づく値増の法的根拠として挙げられるのは事情変更の原則であります。これは、すべての契約は暗黙のうちに「その契約が締結されたときの事情がそのまま存続する限りにおいてのみ効力を有する」という約款を含んでおり、したがってその事情が変更したときは、契約はもはや拘束力を持たないとするものであります。この原則が認められる要件として、学者は、(1)当事者の予見せず、また予見し得ない著しい事情の変更を生じたこと、(2)その変更が当事者の責に帰すべからざる事由によって生じたものであること、(3)契約の文言どおりの拘束力を認めては信義誠実の原則に反した結果となること、等を挙げています。この事情変更の原則が適用されると、当事者は契約内容の変更を請求することができ、相手方がこれに応じないときには契約を解除することができることとなります。この原則の適用を認めた判例は殆んどが不動産の売買、再売買の予約、賃貸借に関するものであり、請負については造船契約に関する損害賠償請求事件で契約解除を認めた判例が一つありますが(高松高裁昭和三五・一〇・二四)、建設工事の請負に関するものは見当たりません。

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