判例が見つかってからは、片がつくまで一気だった。裁判所は両者に和解を勧告した。管理組合が実質勝訴となる和解である。滞納管理費と積立金は相手側が全額支払うだけでなく、延滞金(利子)も裁判所は認めてくれたのだ。結局、裁判の費用や弁護士費用も、この延滞金によって賄うことができたのである。ゴネても結局は損になるだけだという結果が導けたのは、本当に良かったと思うのだ。途中、自分自身が破産の危機に瀕したことでもあり、なお一層、ホッとした事件だったのである。
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ところで読者の管理組合でも、原始規約が行方不明になっているところがきっとあるだろう。しかし、たとえ原始規約がどこに紛失したのかわからなくても、規約通りに長年管理がなされてきていて、住民からは特に異議も出ていなかったなら、黙示的に規約が成立したとみなすという判例もある(京都地裁/平成九年(ワ)第一〇四四号)。本当に困った場合には、こういう判例の番号をメモした上で、弁護士に相談に行くと良いだろう。裁判官も弁護士も全能の神様ではない。あらゆる分野のすべての判例を把握しているはずはない。しかし判例が存在していることが分かったなら、つまり武器が用意されているのなら、武器の使い方を十分に熟知しているのが弁護士というプロなのである。